ライアーはハープに似ていない(その2)

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ハープとライアーは姉妹に見えますよねぇ。実は私もそう思っていて入手したものの全然違う楽器だとわかって、以前に「ライアーはハープに似ていない」というタイトルで書きましたが、それはいまだに皆さんが興味深く読んでくださっているようなので、改めて写真で比べながらもう一度書いてみることにします。

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まず大きく違っているのは弦の張られ方で、ハープは一列でライアーは二列になっているのです。これは私のライアーですが、銀色のチューニングピンが二段になっていますね。三段目の色の違う小さいピンは単に弦をひっかけてあるだけで弦を巻き付けてはありません。

上段のところに巻き付けてあるのがピアノで言うならば白鍵の弦で、抱えた時に右手側にきます。下段に巻き付けてあるのが黒鍵に当たる弦で左手側になります。

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真横から見ると、二列になっているのがわかると思います。茶色っぽい弦が上段に巻いてあって銀色の弦が下段に巻かれてありますね。このライアーの場合は一番手前にある茶色の弦がドの音で、もう一本僅かにずれてその向こうに見える銀色の弦はドのシャープです。ライアーによってソの音にも色を付けてあるのもありますが、いずれにせよ細い空間に二重に付いているので何の音の弦かを見分けるのには慣れが必要です。

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ハープは弦はシンプルに一列で、一番上のピン部分にだけ巻かれています。

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ハープはドが赤とファは紫や黒で弦の色を変えてあるし、一列なので弦を見誤ると言うことはめったにありません。ライアーではファではなくてソが違う色なので両方の楽器を弾いていると時々うっかり間違えやすいです。

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ライアーは共鳴板に対して弦が平衡に張られてありますが、ハープは直角です。これで響きが全然違って来るわけですが、ライアーの方が余韻は長いです。

ライアーはスチール弦ですが、ペダルハープは低音はスチール弦で真ん中はガット弦、高音はナイロン弦です。ガット弦はとても切れやすいししかも値段が高いので切れると、、、オーマイガット!!特に梅雨時は切れる率が高いですが、このガット弦が独特の柔らかい音色を紡ぎ出すのですよね。

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ライアーは弦が半音も含めて既に並んでいるので曲の途中で半音を操作する必要はありませんが、ハープはアイリッシュハープのようにフックかこのようなペダルで操作します。

フックの場合は弦の一番上に付いていて一本の弦に対して一つのフックでそれを瞬時に左手で動かして音を変化させます。例えば二つのファの音にシャープを付けたい時は両方とも動かさねばなりません。メロディを弾きながらその合間に動かすのでなかなか忙しいです。

ペダルは左からレドシミファソラと並んでいます。なぜドレミファソラシではないのかと思いますが、色々な調の曲を弾いてみるとこの方が都合がいいことが何となくわかります。ペダルは三段構えになっていて、真ん中から上げると半音下がり、下げると半音上がるという具合ですが、例えばファを操作すると他のファも一斉に同じように半音が変化します。

ペダルハープはアイリッシュハープなどと違って両手はあくまでもメロディに専念できますが、時には右足は上に左足は下にと同時に忙しく動かすことも多々あるわけで両手両足を駆使して行くことになります。優雅なんてものではなくて、ロングスカートの足元はばたばたしています。

ピアノの楽譜をハープで弾くのは大変ではありますが、それでもそのまま弾くことはできます。ピアノで右手がメロディ、左手が伴奏というように弾いていたものをそのままの手でハープの弦に沿って右手を体の手前に持って来て、左手をぐーーっと前に出せばいいのです。

ピアノやハープの楽譜をライアーで弾くのは簡単なものでも難しいです。かなり無理があるし不可能なことが多いです。

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構造も違いますが、奏法も使う指も違うのです。ハープではこの写真でも親指がピュッと伸びているように、親指は大切ですが、小指は使いません。これがライアーでは全く逆で親指以外の指を使います。ハープは手の平側へ向かって第二関節からエイッとはじかないと音が鳴りませんがライアーははじかないで次の弦に向かって指をスーッとすべらせるのです。

何と言っても一番の違いは楽器の抱え方です。ハープはこのように右肩に載せていますね。少し肩を張るようにして手は共鳴板に向かって手のひらを下に向けます。

ピアノのように基本的には右手が主にメロディで左手が伴奏を担当します。

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ライアーは膝にのせて左側に寄せるので弦は右から眺めることになります。ライアーを弾く時の手は「祈り」にも似た角度で、あまり派手に動かすこともありません。ハープは左側から見るので鏡の世界なわけです。

つまりライアーはドレミが右から順番に上って来るということになるので最初はかなりとまどいます。ハープを知らなくてもピアノを弾いていた人にとってもこれは体の感覚が混乱します。

ライアーはメロディと伴奏を右手左手で担当することができないのでソロの場合はかなり工夫が必要です。

まとめてみると
1 ハープは弦が一列 ライアーは二列
2 ハープは半音操作が必要 ライアーは必要ない
3 使う指はハープは親指から薬指まで ライアーは人差し指から小指まで
4 抱え方はハープは右肩 ライアーは左
5 ハープは弦をはじいて弾く ライアーは指をすべらせるように

このように、ハープとライアーの違いは歴然としていますが、私は楽器を奏でる時の「意識」が違うということを感じます。ハープは活力を持たないと弾けないので体力、筋力はかなり必要で内なる赤い火を燃焼させていく感じで弾き終わった後はある意味アスリートに似ているかもしれません。ライアーは内なる静けさから始まるので水のようなひたひたとした感覚で、火であったとしてももしかして青い炎かもしれませんが、間違えてはいけないのは「静けさ」は決して「弱々しさ」ではないということです。静けさの核にはしっかりと強いビートが呼吸しているはずです。

体の中心軸の芯をしっかり保つことはもちろん基本的なことですが、「力の抜き方」は微妙に違うかもしれません。どちらも「弾こう弾こう」と思ったり力んでしまうとうまく行きませんが、ライアーでのふゎ~っとした解き放ち方は独特な感じがあるように思えます。

ライアーは一音を響かせることが大切で和音を重ねすぎない方がいい場合もありますが、ハープのぽろろ~~んと言う和音は弾きながらもうっとりするくらいです。

ライアーは余分なものをマイナスしていった所にシンプルな美しさがありますが、ハープは音を広範囲に多様に動きながら生き生きとした豊かさを表現できます。

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私はおっちょこちょいに「ハープに似ていて持ち運びに便利なモノ」としてライアーを入手してしまったので最初は面食らいましたが、もしかすると中途半端に似ていなかったことがかえって両方を楽しめることになっているのかもしれません。

形が似ているからと言って、ライアーを安易に「ハープ」と呼ばれることにはどうしても抵抗感があるので可能な限り説明はしますが、ただ一つ、諦めて「ハープ」と言う場所があります。

海外で入国する時に「Lyre」と言うとぎょっとされます。ウソツキのライアー(Liar)だと思われてしまうんですよね。「Small harp」と言うと安心して通してくれるのでこれだけは仕方ないです。

イギリスの友人が私のブログに「日本語自動翻訳」をかけたら全部「ウソツキ」で出てきてしまってびっくり忠告してくれたので、他の友人たちには写真だけを楽しんで欲しいと言ってます。

ナルも法螺貝を吹くようになったので「ホラ&ライアーのコラボ」で自動翻訳したら、、、ふふふ、大変なことになるかも??
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by makanaluon | 2014-05-16 18:52 | ライアー | Comments(4)
Commented at 2014-08-21 05:59 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by makanaluon at 2014-08-21 06:41
クリーンノートさん 初めまして、ようこそ。ありがとうございます。最初は全然違った楽器であったことにとまどいましたが、今ではハープもライアーもそれぞれ楽しんでいます。また訪問してくださいな。
Commented by agrifishx at 2014-08-23 23:37
サギ草のところの触覚の長いトンボ オオツノトンボのようですね。久しぶりに見ました。ナルさんが庭で見たというチョウトンボ もしや写真の黒い羽のトンボだとしたら、ハグロトンボですね。トンボが飛んでくるっていいですよね。
田んぼではオニヤンマ(らしきやつ)が飛んでいますが、撮影できません。ナルさん、飛んでるトンボの撮り方教えてください。
Commented by makanaluon at 2014-08-24 08:07
agrifishさん トンボのいる風景というのはいいですよね。チョウがひらひら舞うのとはまた違う魅力でその場をイキイキとさせますね。大きさや色の違いはあってもこんなにたくさん形が違う種類のものがいるなんて驚きでした。

飛んでるトンボはナルのコンパクトデジでは難しいですよ~。「固定してシャッタースピードをあげるか流し撮りするか、、シャッタースピードを優先してスピードをあげておいて置きピンと言って一か所にピントを合わせておいてそこに入った瞬間をねらう、、」と言ってますがね。

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